ウランガラス

今から20年程前、友人のHさんと二人でチェコに出かけたことがある。Hさんは市内で陶器やガラスの店舗を持っている。どうしてもボヘミアンガラスを仕入れたいというのでオレが案内したのだった。

旅行期間は一週間ほどだったが、チェコに住む弟に案内してもらい、あちこちのアンティーク店や、ガラス工場などを回った。当時は価格も結構安かったのでHさんは別送品も含めてかなりの買い物をした。

Hさんは買い物が大の趣味で、車に乗ってる時はコックリコックリしているのだが、店に着くとパっと目が覚める。そしてあっという間に買い物を始める。オレは誰もが認める買い物嫌い。それでもHさんにつられて骨董のガラスを少しばかり買ってきた。

帰国後Hさんは買ってきたガラスの展示会を行った。まだ景気も良かった頃で、結構な値段だったにも関わらず売れ行きは良かったらしい。

そのHさんが先日家に遊びに来て、突然こんな話をしだした。「あの時売れ残ったガラスがあったんだけど、念の為に調べたら何とウランガラスが何点もあったんだよ。それでさ~、値段を何倍かにして店に出してみたらあっという間に売れちゃったよ」

な~んと、、、羨ましすぎる、、、。オレは早速自分の持ってるガラスを取り出してブラックライトを照射してみたんだけど、一点も光るものはなかった、、、残念、、、無念、、、

実は10年ほど前にウランガラスの事を知り、オレはあの妖しく光るガラスが欲しくて欲しくて仕方がなかった。チェコの弟にも「探してくれよ」と頼んでいるのだが、弟は骨董品などには一切興味がなく、未だ一点も見つかっていない。

まだ何点かあるらしいので、今度Hさんの店に行って見せてもらおう。値段が折り合えば買いたいけど、貧乏人のオレの小遣いでは無理だろうな~。それを知ってるから、きっとHさんはこう言うだろうな。「あんたにはウラン」






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2012年03月24日 Posted by臥游山人 at 22:37 │Comments(0)日々雑感

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