男性Aと女性B(1)

人生60年も生きてくると様々な出会いと別れがある。オレのモットーは「来る者拒まず去る者追わず」である。出会いは比較的楽しいことが多いが、別れは悲喜こもごもである。希望に満ちた旅立ちの別れもあれば、悲しい別れ、辛い別れ、悔しい別れもある。

中には別れて清清とする場合もある。いくら来る人拒まずでも絶対付き合ってはいけないという人がいることをオレは学んだ。そんなのがオレの人生で数人いるが、その中で似ているタイプ二人について書いてみたい。

男性Aと女性B。二人とも人当たりはいい。うわべを見ればとても悪い人には見えないというのが共通点だ。

Aは陶芸の材料販売の仕事をしている。少ない注文でも届けてくれるので親しくなった。Aはオレ以外の陶芸家のところにも出入りしているので情報が豊富だった。色々な話を聞かせてくれる。しかし、次第にAと話していると心が泡立つようになってきた。

話の内容が「あの人があなたのことをこう言っていた」とか「〇さんと△さんは喧嘩してる」とか、凡そ他人の告げ口ばかりだった。しばらくは上の空で聞いた振りをしていたのだが、そのうちそうもいかなくなってきた。

知り合いの陶芸家C君とさる場所で遭遇した時、オレを見てC君は血相を変え、逃げるように姿を消した。調べてみるとどうもAが原因のようだ。オレにはC君の悪口を言い、C君にはオレの悪口を言ってるらしいのだ。C君だけではない、他の陶芸家仲間にも同じようなことをやっていたので仲間内がギクシャクしてしまった。

オレはAから材料を買うのを止めた。そうしてAとは疎遠になった。

女性B。年齢は50歳ぐらいで、いつもニコニコと愛想が良い。暮らしにもゆとりがあるようで年に数回は海外旅行を楽しんでいる。そしていつもお土産をドッサリと届けてくれた。オレは、なんて面倒見のいい頼りがいのある人だと思ってしまった。人間、物を貰うと弱いもんだね。

ちょうどヤングカレッジを立ち上げた時で、若者を補佐する年配の女性を捜していた。オレは躊躇することなく彼女に手伝ってもらうことにした。彼女も二つ返事で引き受けてくれた。若者のまとめ役は男のオレよりも女性の方が適任だと思い、オレは小さなこともBに相談し報告した。

さあ、これでみんな仲良くやっていけそうだ、と思ったらあちらこちらで揉め事がおきだした。さっきまでニコニコ仲良く話していた者同士が一夜明けるといがみ合っている。これは尋常ではない。オレは必死でその原因を探った。

やっぱりBだった。前述のAと同じで、あっちに言っては逆をいい、こっちに言っては又その逆を言う。何故なんだろうと考えてみた。結論は二人とも自己中心的で、自意識過剰。自分が常に世界の中心にいないと気の済まない性格で、そのためには平気でウソを言うし人を裏切る。

ダメージは想像以上に大きかった。ヤングカレッジの内部が相互不信で大きく揺れだした。このままでは組織が壊滅する。オレは危機感を持って解決策を模索しだした。

ところがBはなかなか狡猾だった。ある日、ヨーロッパに行ってきたからとオレにもカミさんにもお土産を置いていった。その中にとんでもない爆弾が仕掛けられていたのだった。





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2009年12月26日 Posted by臥游山人 at 16:56 │Comments(0)日々雑感

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