<エジプト・トルコの旅> 6月16日(2 )

目指すベルガマまでは200キロある。その間、Iさんとの楽しいお喋りタイムとなる。Iさんは、すっかりオレを信頼してくれたのか、自身の生い立ちや歴史秘話のような話を色々聞かせてくれた。こんな贅沢な旅はないな~と思いながら、話を聞いているうちに、バスはベルガマに町に到着した。

ここに、紀元前3世紀半ばから2世紀までにアッタロス朝の都として繁栄したヘレニズム時代の都市、「ベルガモン王国」があった。最盛期にはエジプトやシリヤと比較できるほどの国力を誇ったが、その栄華は永く続かなかった。

アッタロス3世の死後、その遺言により全領土がローマに委譲され、「ベルガモン王国」はローマの支配下となった。以後、ベルガモンは自由都市として栄え続けたが、7世紀にアラブの侵攻で疲弊してしまった。

バスが着いたのは、「アスクレピオン」という遺跡だった。医学の神、アスクレピオスを祀る神殿を中心とした神域で、医療行為を行う古代の病院でもあった。

ここは紀元前400年頃、ギリシアのエピダウロスにあったアクスレピオンから、医療技術を持った神官を招いて始まったとされる。

<エジプト・トルコの旅> 6月16日(2 )

長い参道を歩いて入り口に向かう。

入り口の壁には、「死はこの門を入るべからず」と彫られたあったという。ここに入所する者は、あらかじめ医師の診察を受け、治る見込みのない者の入所を拒んだという。受け入れられた者は、自分の病気は治ると思わされる。既に心理的な治療が始まっているのである。

尚、入所しても治療の甲斐なく亡くなった者は、他の入所者に知られることなくひっそりと運び去られたという。

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振りかえると、遥か山の頂に「アクロポリス」の遺跡を見ることができる。ホントはここに行きたかったな~。でも、老人中心のツアーではあの広くて勾配のある遺跡の見学は無理とツアー会社が判断したんだろうな~。

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補修して当時の面影を再現している所もあった。

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入口祭祀場にある蛇の柱。蛇は古来から医学の守り神とされてきた。脱皮を繰り返すことから、命の再生を願ったものではないかと思う。

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治療棟跡。

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聖なる泉。水がまだ流れていた。この水には微量のラジウムが含まれていることが分かった。

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回廊の跡であろうか?ここには日光浴ができるテラスや、泥浴プール、図書館、入り組んだ水路など、数々の施設があった。

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野外劇場の観客席。白い部分は身分の高い人の座るところという。

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野外劇場。ここには3000人以上収容できる。

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アテネの神殿のような美しい柱が並んでいる。

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聖なる泉と治療室を結ぶ地下道。階段の横からチョロチョロと水が流れ出ている。この水音も、癒し効果としてわざと作られたものだそうだ。

<エジプト・トルコの旅> 6月16日(2 )

地下道は80m程の長さだが、天井に15の穴が開けられ、そこから陽光が挿してくる。その穴から医師が患者に向かって囁き、患者は天から聴こえてくる神の啓示として受けていたと言われている。患者には、モルヒネのようなものも投薬されていたらしい。

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参道を戻る。アクロポリスがユラユラと霞んでで見えた。

<エジプト・トルコの旅> 6月16日(2 )

バスに向かう道横の草原で、一頭の馬が遊んでいた。


バスを停めた横のお土産屋でお茶を飲んでいたIさんを発見。これから今夜の宿泊地「クシャダス」まで205キロを走る。

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クシャダスの「アダクレホテル」到着。ここはエーゲ海に面したリゾート型のホテルで、もうそろそろヨーロッパからの観光客で賑わいをみせるだろうね。イタリアも、ギリシアも海を挟んですぐそこだ。

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泊まった部屋。簡素だが、中々いい。

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スイカの飾り物。この時期、スイカとメロンはすごく美味かった。

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それとデザート。これはその一部分。余りにも種類が多すぎて選ぶのに苦労したが、余りの甘さに食べるのにも苦労した。

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部屋からの眺め。この時間でもまだ明るい。

<エジプト・トルコの旅> 6月16日(2 )

エーゲ海に沈む夕陽、、、と思ったら、海の向こうに陸地があり、山に沈んだ。きっとギリシアあたりではなかろうか、、、など感傷に耽ってる暇などない。さぁ、洗濯、洗濯。







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2012年07月06日 Posted by臥游山人 at 22:42 │Comments(0)旅行記

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