さよならは言わない
「ラブユー東京」「さそり座の女」など、数々の名曲を送り出した作曲家の中川博之先生が6月に亡くなられた。
今年作曲家生活50年を迎え、記念リサイタルを行うという話も伺っていただけに、突然の訃報に愕然とした。無性に悲しい。まだ先生の逝去を受け止められないでいる。
先生とは25年を越える交遊で、時々清水にも出かけて頂いたり、私が東京に行ったり、その都度、カラオケをご一緒させて頂いた。先生は誰にも優しく、そしてサービス精神に溢れていた。元々歌手を目指していたので、歌は抜群にうまい。次から次と自分が作曲した歌を歌ってくれた。
一回り年上なのに、こんな貧乏陶芸家の私などにも「先生」と呼んでくれ、常に気配りをしていただいた。何よりも友達を大事にするロマンチストだった。徹底して権威を嫌い、弱い人々を優しく包み込む、それが中川メロディだった。
そして今日、とうとう「お別れの会」の通知が届いた。7月30日、会場は帝国ホテル孔雀の間。私は行かない。いや、行けない。その頃、まだ体調は万全ではないだろうから、、、
でも先生、私は先生と別れないよ。ずっと私の心の中に先生は住んでいるよ。